耳鼻咽喉科[5. 気管・食道の病気]

疾患一覧

気管切開術に関係する病気

気管・食道の領域で耳鼻咽喉科が扱う疾患は、気管孔肉芽や気管カニューレのトラブルに対する対応など、気管切開術に関係する病気が多いです。

「気管カニューレ」とは、気管に孔を開けたところ(気管孔)に入れておく、プラスチックの筒のことをいいます。気管孔は通常、首の前方に開けます。気管切開術は生命の危機を脱するためなどに必要な処置です。しかし、特に気管切開孔が長期間必要な患者さんは、気管切開に関係する合併症に悩まされることも少なくありません。

主な症状は、「気管カニューレが抜けない」「孔が閉じられない」「孔が狭くなった」「気管と食道の間に孔があいた」「カニューレ交換が難しい」「話せるはずなのに、話せない」「食べられない」などです。

気道は生命に直結するため、解決に時間がかかることも少なくありません。我々は「気道」「発声」「嚥下」の3つの喉頭機能をできる限り保ち、生活の質を上げられるような治療方法を提示し、個々の患者さんに応じた治療を積極的に行っています。他院から紹介受診する患者さんも少なくありません。

当院で治療を行い、解決した症例を写真で紹介します。

【気管孔肉芽】

他院から救急搬送された患者さん。肉芽除去とカニューレの変更で対応。

気管孔肉芽 右矢印 肉芽除去とカニューレの変更

【カニューレ抜去困難症】

一度図左のように気管切開孔を綺麗にして、右の様に閉鎖した。

カニューレ抜去困難症 右矢印 気管切開孔閉鎖

【気管孔狭窄・変形】

脊髄損傷のため、人工呼吸器が外せない状態であった。
喉頭気管分離術を行い、摂食が可能となった。

気管孔狭窄・変形 右矢印 誤嚥防止術後

【気管カニューレによる長期管理】

声門閉鎖術を行い、カニューレから解放され、摂食が可能となった。

右矢印

気管切開術を受けた患者さんは、気管切開孔から気管カニューレが装着されます。病気によって長期間気管カニューレによる呼吸管理が行われている方も多くいらっしゃいます。「声門閉鎖術」は、もともとの病気により気管切開孔を閉じることが出来ない状態となっている患者さんのための術式です。くわしくは声門閉鎖術の頁をご覧ください。

【声門下狭窄】

声帯の奥が肉芽や瘢痕などで狭くなってしまい、その結果呼吸困難、発声困難となる病気です。気管内挿管や気管切開術の治療後に稀に発症することがあり、一度発症すると大変やっかいな病気です。なぜ狭窄してしまうのか、その原因は不明ですが、アレルギー体質、ケロイド体質の人が発症しやすいのではないかと言われています。
レーザーなどで肉芽を除去しても更に肉芽が出来ることが多く、気管カニューレで気道を確保するのが精一杯になります。大きな病気を抱えている方に起きることが多いため、カニューレが一生外れない方も少なくありません。
積極的に治療を行う場合は、手術が主体となります。肉芽除去術、Tチューブ留置(多くは上方充填型Tチューブ)、喉頭喉頭截開による喉頭形成術 、ステント留置、拡大気管孔形成術などを組み合わせて行います。
当院は2003年から2016年までに6例の声門下狭窄症の治療を行ってきました。
全例他院からの紹介患者です。すでに気管カニューレが入っていて、発声が不可能の状態でした。治療の結果、6例中5例で発声可能となり、3例は気管孔閉鎖ができました。全例ともカニューレが外れるか、あるいは自宅で自ら管理が出来る状態となりました。

声門下狭窄

輪状軟骨という軟骨を削り大きな気管孔を作成しました。カニューレが抜去でき、発声もできるようになりました。数ヶ月後、周りの皮膚を使って孔を小さくする手術をしました。3回目の手術で、気管孔を閉鎖しました。

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