外科・乳腺外科[乳腺領域]

乳腺領域

はじめに

佐野厚生総合病院乳腺外科のウェブサイトへお越し頂きまして,ありがとうございます.乳腺外科部長の和田真弘です。
このウェブサイトにお越し頂いた皆様の多くは,患者さんあるいはそのご家族ではないかと思います。「佐野厚生総合病院の乳腺外科はどんな感じなのだろう?」,「あそこの主治医は大丈夫なのか?」など様々な思いを頂きながらこのウェブサイトにたどり着いたことと思います.乳がんを心配している皆さんにとって当然の思いだと思います。
このウェブサイトを通じて,皆さんに当院乳腺外科の目指す方向性を少しでも感じ取ることができれば幸甚です。そのために通常の病院紹介の内容とは若干方向性が異なり,最初は皆さんが違和感を感じるかもしれません。しかし,どうしても伝えなくてはならないことがあるためにこのような形式になってしまったことをご理解いただきますようお願い申し上げます。
きっと最後まで読んで頂いたときには,主治医と皆さんの思いが少しばかりでも歩み寄ることが出来ていることを願って止みません。

担当医紹介
乳腺外科部長   和田 真弘(わだ まさひろ)
資格

•日本乳癌学会乳腺専門医
•日本外科学会専門医
•マンモグラフィ検診精度管理中央委員会検診マンモグラフィ読影認定医師
•日本がん治療認定医機構がん治療認定医

当科の診療の基礎となる考え(思い)

私(和田真弘)はここ佐野市(旧田沼町)で生まれ育ちました。旧田沼町の小中学校を卒業して,隣町の高校に進学しました。その通学の際に,毎日自転車で当院(その当時に今はなき旧病院のほうです)の横を通り過ぎながら,「将来はこの佐野厚生総合病院で外科医として働きたい」という思いをはせておりました。
その後,十数年が過ぎ,ようやく夢が叶いました。2008年4月に晴れて当院に勤務することができました。そして,早9年間が過ぎました。
その過程の中で一貫として貫いてきた考え(思い)は,「この佐野でも都内の大学病院やがんセンターと同じレベルの乳がん診療の提供を!」ということです。
あなたやご家族が乳がんと診断された場面を考えてください。まずは治療を受ける病院選びとして,とっさに出てくるのは大学病院やがんセンターではないでしょうか。「がんなのだから,がんセンターに行かなくては....」と思うのは至極当然のことだと思います。もしあなたのお住まいの近くに大学病院やがんセンターがあるのであれば,それでよいと思います。しかし,この佐野からの近隣の大学病院やがんセンターまで通院するとなると,約1時間はかかります。
また,乳がんの治療を正しく理解してもらうことも必要となります。針生検で乳がんと診断されて,私の方から患者さんとそのご家族に病名を説明した後に多くの患者さんは次のように質問します。「先生,手術すれば治りますよね?」と。しかし,乳がんは手術だけで治るという病気というわけではありません。後述しますが,手術以外にも放射線治療,がん薬物療法(抗がん剤治療,内分泌療法,分子標的治療など)などを多種多様な治療を上手に組み合わせていく「集学的治療」が世界のスタンダードになっております。例えば,乳房温存手術後の放射線治療であれば,週5日を5週間連続で合計25回の治療が必要です。しかも,入院治療ではなく全て外来での通院治療です。内分泌療法の適応となれば,最低でも5年間,長期となれば10年間の内服治療が必要となります。一方で,抗がん剤治療の副作用がつらいとき,または再発乳癌の症状が増悪したときなど,すぐに主治医に診てもらいたいときがあるかと思います。そのときにわざわざ車で1時間をかけて通院しなくてはならないことは,想像するだけで患者さんもご家族がつらくなります。更にそこで緊急入院となってしまったら,患者さんのご家族はお見舞いについても毎日往復数時間の通院を余儀なくされます。これは患者さんとは別の生活をもっているご家族には,非常に大きな負担になってしまいます。
そこで,仮に患者さんのお住まいと同じ街で,大学病院やがんセンターと同じレベルの乳がん診療ができるのであれば,わざわざ長時間の通院時間を回避することができます。その時間をもっと患者さんとそのご家族に本当に必要なことに費やした方が有意義だと思います。
そのための必要条件の一つは,その病院が質の高い世界標準レベルの乳がん診療を提供できているかということです。ここは患者さんとそのご家族にとっては絶対に譲れないところだと思います。誰しも自分やご家族が乳がんにかかってしまったら,最高の治療を受けたいと思うのは当然のことだと考えます。
そこは幸いにして乳がんの治療の特徴として,他のがんと比較して比べものにならないほどのたくさんの臨床試験があります。それらの臨床試験の結果から,質の高いガイドライン(治療指針)があり,それに基づいたEBM(evidence-based medicine)を実践することができる数少ないか癌種だと思います。つまり,乳がん診療はその担当医さえしっかりと勉強していれば,どこで治療を受けても世界標準な治療を受けることができることに他なりません。しかも,乳がんは前述したとおり,手術が全てという病気ではありません。確かに食道がんや肝臓・胆道・膵臓などの悪性腫瘍(がん)は手術治療が大きなウエイトを占めて来ますが,乳がんはそうではありません。
以上のような背景を前提として,この佐野周辺地域で乳がん診療を受けなくてはいけない環境下にある患者さんとそのご家族に,私は乳腺専門医として質の高い世界標準レベルの乳がん診療を提供していきたいと考えております。

さて,いまは患者さんがご自分で主治医を選ぶことができる時代です。そのためには,患者さんは自分の病気のことやその治療方針などについて,詳しく理解し納得することが大切です。従いまして,当科は乳がんと診断された後でも,あるいはその治療中でも,私の診断や治療方針に対してのセカンドオピニオン(他の医師の意見を訊きにいくことです)などは大歓迎です。あるいはがんセンターや大学病院などへの他院への転院についても遠慮なく仰って下さい。私はその患者さんがベストな治療を受けることだけではなく,その患者さんが求める治療環境(主治医との相性,看護師が提供するがん患者さんへの看護の質,病院の雰囲気など)もとても大事なことだと考えております。
その中で当院を選んで頂いた患者さんと,私は最後まで一緒に乳がんという病気を「共有 」していきたいと常に考えております。決して「乳がんと闘う」などという言葉は使いたくありません。そんな言葉は患者さんを追い込むだけです。もっと大きな視点で乳がんという疾患をとらえるべきだと思います。私は決して治療のためだけの「人生」にはさせたくないと常々考えております。そうではなく,患者さんご自身の人生を謳歌するために,あるいは納得した人生を送ることができるために「乳がん」という病気をその人生に落とし込んでいくというような考え方が適切だと考えております。
人生に対する考え方は,みなさん十人十色です。正解はその人にしかわかりません。他人と比較しても仕方のないことです。私は乳がん診療を通して,ただ乳がんという病気のことだけではなく,その患者さんの人生を共に考え,共に悩んでいくことが,この地域の方々がこれからの乳腺専門医に強く求められていることだと考えております。その負託に応えることができるよう尽力していきたいと思います。

佐野厚生総合病院乳腺外科
和田真弘

Copyright © 2017 SANOKOUSEI GENERAL HOSPITAL ALL RIGHT RESERVED. 佐野厚生総合病院