整形外科
得意分野・特殊医療
診療科紹介
本整形外科は、慶応義塾大学病院との医療連携協力医療機関です。
医局員は、全員、慶応義塾大学整形外科教室から派遣された医師です。
病院の1階Aブロック、つまりロビーを抜けるとすぐの場所に整形外科の外来があります。
昭和38年に本院に整形外科が開設されて以来、慶応義塾大学医学部整形外科の関連病院として、栃木県有数の臨床実績をかさねています。現在、7名のスタッフが常勤し、日夜、診療に取り組んでいます。整形外科の疾患は大きく、脊椎・上肢・下肢の3つに分けられており、当科の特徴としてそれぞれの分野の専門医がすべてそろっていることです。整形外科を標榜している都内の基幹病院でもすべての分野の専門医が必ずしもそろっているわけではなく、地方病院ですべての専門分野がそろっており、大学病院と同様の治療が提供できることはかなり稀有なことなのです。
骨折や脱臼といった救急外傷はもちろんのこと、超高齢社会に特有の腰痛、膝痛など慢性疾患の治療に対しても、大学病院に遜色のない治療実績をおさめています。伝統的な方法だけでなく、新しい術式も積極的に導入していますが、患者さんの安全と満足を第一に考えるよう努めています。
当科の基本原則として、何よりも患者さんの安全を最優先に考えております。特に手術の適応とおもわれる患者さんでも、場合によって、お薬やブロックの治療をおすすめする場合がございます。
患者さんは大半が、外来でお薬、ブロックなどの保存的治療で治ります。しかしながら、病院に来られる患者さんのなかには、やむをえず手術を行わなければならない症例がございます。その際にはすべての分野で専門医がそろっているという当科の強みを生かし、伝統的な方法だけでなく、新しい手術もとりいれ、日々研鑽をおこなっています。
下肢の分野では人工関節置換術の発達が望ましく、筋肉を切開しない低侵襲手術(MIS)やnavigationを用いた正確な設置がなされるようになり、左右同時に手術を行っても2週間程度のリハビリで退院し社会復帰することも可能になっています。また、近年膝の分野では半月板の逸脱が生じるとその後に関節の変形が加速度的に進行することが注目され、半月板が逸脱した早期に治療介入を行う関節温存手術が注目されるようになっており、当科では全国に先駆けて10年前より導入し、良好な結果を得ています。
関節鏡も用いた低侵襲な手術は膝関節における半月板手術や靭帯形成術のみに限らず、股関節や足関節でも積極的に取り入れ、股関節唇の修復や足関節固定術、足関節外側靭帯修復などの手術も行っております。
脊椎疾患では脊柱管狭窄症、すべり症、椎間板ヘルニアなどの多くに疾患を対象として、頸椎、胸椎、腰椎いずれの疾患に対しても良好な成績をおさめています。とくにインストゥルメンテーション(金属)の手術は、全国でも有数の実績を誇ります。顕微鏡や内視鏡を用いた手術、椎間板酵素注入療法(ヘルニコア)も、症例を選び行っています。また、勢弱性椎体骨折に対しても難治例では経皮的椎体形成術も施行し良好な結果が得られています。
最近では確立された従来の方法だけではなく、腰曲がりや首下がりなどの成人脊柱変形に対しても症例を厳選し矯正手術も行っています。
中高年に多くみられる肩関節痛をきたす腱板断裂は、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)との鑑別が難しく、いまでも治療に難渋することが多い疾患です。その要因として肩関節を専門とする医師が上肢班の中でもかなり貴重な存在であることが挙げられます。当科では肩関節専門医が診断し、関節鏡を用いた低侵襲手術が可能です。さらに関節鏡では修復が困難な大断裂に対して行われるreverse shoulderと呼ばれる特殊な人工関節手術も行っています。
外傷は、毎日のように当院へ救急搬送されてきます。現在、佐野市内で手術を行う病院が他にないため、外傷の手術の占める割合が高くなってきています。高齢者のもっともポピュラーな骨折、大腿骨のつけねの骨折に対しては、早期手術を原則とし、できるだけ早い退院と社会復帰のお手伝いをしています。
大腿骨近位部骨折後の患者は2次骨折リスクと死亡リスクが高まりまることが知られ、骨折の連鎖断つ取り組みとして、FLS(骨折リエゾンサービス)が注目されています。当科ではFLSを実践するために看護師、理学療法士、薬剤師、管理栄養士が中心となってリエゾン外来を令和4年4月より開始し、骨粗鬆症治療と転倒予防を実践しております。
当整形外科は、地域の他病院との連携を深めるため、さまざまな試みを行っています。FLSをはじめ、連携施設に手を上げていただいた病院の輪がひろがっており、たくさんの紹介患者さんを日々、受け入れております。また、積極的に、地域の大学、病院と勉強会(症例検討会)、講演会を行っています。
基本方針
当科ではMRI,CT,骨密度検査、血液検査などの精密検査と専門医による正確な診断と高度な治療を提供することをお約束いたします。
一方で佐野市では基幹病院である少なく当科に集中していることもあって、外来の予約時間を遅延しお待たせしてしまうことも多いかと存じます。そのため、当科では近隣の開業医の先生との連携した二人主治医性を推進しております。当科で治療後、症状が落ち着いたところで開業医の先生に紹介させていただくこともあるかと思います。開業医の先生とは緊密に連携をとっておりますので、症状が悪化した際にはいつでも当科で責任をもって治療を行いますので、安心して受診してください。
また開業医の先生からの紹介は優先して受け付けていますので、何かございましたら開業医の先生に何度でもご相談することをお勧めいたします。
患者さんへ
日本人が悩まされる自覚症状のワースト3をご存じですか? 厚生省の行った国民生活調査によると、腰痛、肩こり、関節のいたみといずれも整形外科で取り扱う症状なのです。そのため整形外科は皆さんの生活に密接につながっている診療科といえます。一方、腰痛や肩こりは軽んじられることが多く、病院で治療が受けられずなかにはこじらせてから当科を受診されることも少なくありません。
骨折・脱臼・ねんざなどのけがをした時だけでなく、手足の痛みやしびれ、首や腰の痛み、ひざなど関節の痛みなども症状が長引くようなら、ぜひ整形外科にご相談ください。
※現在、外来の待ち時間が長いことや、手術の予定が数ヶ月先になる場合もあり、患者さんにご迷惑をおかけしていることをおわびいたします。
医師紹介
吉川 寿一 よしかわ としかず
- 役職
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主任部長
- 認定医‧専⾨医
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- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会認定スポーツ医
- 体育協会公認スポーツドクター
- 日本整形外科学会認定リウマチ医
- 日本人工関節学会認定医
- 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)
- AO Trauma上級会員
- ロコモアドバイスドクター
- 専⾨領域
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膝関節疾患・股関節疾患・足関節/足部疾患・関節リウマチ・スポーツ外傷
萩原 健 はぎわら たけし
- 役職
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副部長
- 認定医‧専⾨医
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- 日整形外科学会専門医
- 日本手外科学会専門医
- 専⾨領域
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手・上肢外傷
前田 祥宏 まえだ よしひろ
- 役職
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副部長
- 認定医‧専⾨医
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- 日本整形外科学会専門医
- 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医
- 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)
- 専⾨領域
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脊椎疾患
片山 正典 かたやま まさよし
- 役職
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医員
須藤 大智 すとう だいち
- 役職
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医員
- 認定医‧専⾨医
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- 日本整形外科学会専門医
- 日本医師会認定産業医
原田 林太郎 はらだ りんたろう
- 役職
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医員
外来担当医表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | 片山 | 吉川 | 片山 | 唐澤 | 吉川 | (第1のみ) 吉川 |
原田 |
須藤 | 原田 | 外来担当医 | 萩原 |
第1 須藤 第3 原田 第5 原田 |
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外来担当医 | ||||||
須藤 |
萩原 |
脊椎・脊髄 前田 |
原田 | 片山 | ||
午後 | 萩原 | リエゾン1 | 前田 | リエゾン1 | スポーツ・リウマチ・膝 吉川 |
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須藤 | リエゾン2 | 小児健診 予約制 |
リエゾン2 | 前田 |
受付時間(初診・予約外)
【月・水・金・土】AM8:30~11:00
【火・木】AM8:30~10:30