呼吸器外科
診療科紹介
我が国の死亡原因の第1位は悪性新生物(がん)であり、肺がんがそのなかでもっとも死亡数多いがんです。かつて癌の代名詞は胃がんでしたが、平成10年以来、死亡数第1位は肺がんがとってかわっています。現在では年間10万人以上の方が肺がんに罹り、8万人以上の方が命を落としています。その数はこの20年間で3倍にも急増しています。このように、肺がんは私たちの健康を蝕み、命を脅かすもっとも怖い病気ですが、薬物療法の効果は限られ、その治療は、早期発見による手術が最も効果的な方法です。
平成20年より当院に呼吸器外科を開設いたしました。それまでは佐野地区には、呼吸器外科を専門とする医療機関がなく、肺がんの診断を受けても他の地区の病院に行って手術を受けなければなりませんでした。当院に呼吸器外科を開設できたことにより、呼吸器内科と一体となって、地域での肺がん診療(診断から治療まで)を完遂することができるようになりました。また当科を通して、自治医科大学などとの連携を深めて診療にあたります。
基本方針
肺がんは現在でも3から4割の方しか手術できません。しかし手術できるかできないかは患者さんの予後を大きく変えます。できるだけ手術という最も大きな治療の選択肢を患者さんに提示できるよう治療を考えております。しかし病気を治すのは、その本人の身体と意思によるものとも考えております。ご病気についてはできるかぎり、ご本人、ご家族ご説明いたします。納得した上で治療を受けていただきます。また、できるだけ低侵襲の手術を考えています。当科は胸腔鏡もしくは手術支援ロボット(ダ・ヴィンチXi)での手術が8割を占めます。
患者さんへ
現在肺がんはがんによる死亡数の第1位となり、新聞では有名人の肺がんによる死亡記事がよく掲載されています。また、皆さんの近親者の中にも肺がんで亡くなった方が少なからずいらっしゃると思います。
肺がんは早期発見、早期治療(手術)が治療の原則です。肺がんは治療の可能な時期は無症状のまま進行することが多く、症状が出た時にはすでに手遅れとなってしまうことがとても多いがんです。手術可能な段階で見つかる肺癌の方は、いまでも3から4割しかいません。もし、あなた自身が肺がんになっていたとしても、何の症状もないから大丈夫、と安心していると、咳や痛みなどの症状が出たときには、とりかえしがつかないことになってしまいます。
肺がんから自分を守るためには、かかりつけ医、あるいは住民検診、職場健診などで、年1回のレントゲン検査を行うことが、最低限の健康管理です。
TOPICS
胸腔鏡、手術支援ロボット(ダ・ヴィンチXi)による低侵襲手術
胸腔鏡とは直径5~10mmの細い筒状のビデオカメラです。これを肋骨の間から胸の中に挿入して、術者の目の代わりとなって手術を行います。また、手術に用いる器械も専用のものを使っておこない、以前とは比較にならない小さな傷で肺の手術をおこなうことができます。手術支援ロボットも同様の傷で行います。ロボットで制御するためか胸腔鏡より肋間神経痛が少ないと言われています。
小さな傷は、患者への負担を小さくします。これまで体力的に手術が難しいと思われた方でも、胸腔鏡や手術支援ロボットを使うことにより、手術が可能になってきました。
標準的な肺がんの手術でも、術後1~2週間足らずで元気に退院することができます。
当科ではこの胸腔鏡および手術支援ロボットでの手術を積極的に導入しております。2019年6月から呼吸器外科主任部長として赴任した手塚は、自治医科大学呼吸器外科准教授として肺癌手術2000件以上に携わってきました。お気軽にご相談ください。
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医師紹介
手塚 憲志 てつか けんじ
- 役職
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副院長
呼吸器外科主任部長
前自治医科大学呼吸器外科准教授
- 認定医‧専⾨医
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- 呼吸器外科専門医・評議員
- 日本外科学会 指導医・専門医・認定医
- 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡 専門医・指導医
- 日本がん治療認定医機構 暫定教育医
塚田 博 つかだ ひろし
- 役職
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前呼吸器外科部長
堀切 映江 ほりきり あきえ
- 役職
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医員
外来担当医表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | (第1・3・5)塚田 | 手塚 | 堀切 | |||
手塚 | 堀切 | |||||
午後 | (第1・3・5)塚田 |
(完全予約) がん看護外来 |
堀切 |
※塚田(第1、3、5火曜日)
受付時間(初診・予約外)
【月~金】AM8:30~11:00
診察開始
AM9:00~(火曜のみ9:30~)