医療安全対策室

医療安全対策室

医療安全管理に関する基本的な考え

最終更新日:2025.9.18

患者さんの安全を守るためには、佐野厚生総合病院と全職員一人ひとりの不断の努力が欠かせません。さらに、単独あるいは複数の過ちが重なっても、医療事故として患者さんに不利益を及ぼすことがないよう、院内に安全な仕組みを構築することが重要です。
当院は「地域に寄り添い信頼される病院」を基本理念とし、地域の皆さまが安心して安全に医療を受けられる環境づくりを目指しています。

医療安全倫理

  1. ・患者の尊重
    • 患者さんの人格や価値観、信念を尊重し、治療やケアにおいて尊厳を大切にします。
    • 治療の選択肢やリスク・利益を十分に説明し、納得いただいた上で治療を受ける権利を保障します。
  2. ・非侵害
    • 治療や処置にあたっては、リスクと効果を慎重に評価します。
    • 必要最小限の負担で最大の効果を得られるよう努め、不必要な介入を避けます。
  3. ・自立の尊重
    • インフォームド・コンセントにより、患者さんが治療方針を主体的に決定する権利を尊重します。
    • 意思決定に必要な情報やサポートを提供し、患者さんの意向を尊重します。
  4. ・公平性
    • すべての患者さんが平等に質の高い医療を受ける権利を持ちます。
    • 経済的背景や社会的立場に関わらず、公平な医療アクセスを確保します。
  5. ・正直と透明性
    • 医療現場でのエラーや事故は速やかに報告し、透明性をもって対応します。
    • 患者さんに正確かつわかりやすい言葉で情報を提供し、誤解のないよう説明します。

医療安全管理指針PDF

安全管理のための組織

  • 医療安全対策に関する組織図

    当院では、病院長(医療安全管理統括責任者)、安全担当副院長(総医療安全管理者)の下、医療安全対策室を設置し、医療安全に取り組んでいます。

    (医療安全管理体制組織図PDF)
  • 構成
    • 総医療安全管理者(兼任医師)
    • 医療安全管理者(専従看護師)
    • 医薬品安全管理責任者(兼任薬剤師)
    • 医療機器安全管理責任者(兼任臨床工学技士)
    • 医療放射線安全管理責任者(兼任医師)
    • 事務担当(兼任)

主な業務

  1. 医療安全管理体制の構築
    ① 医療安全対策委員会(月1回)

    医療事故防止と安全で質の高い医療の提供を目的に、事象報告や情報共有、広報活動を行っています。

    ② 医療安全部会(週1回程度)
    • インシデント報告を速やかに共有し、原因分析と再発防止策を実施しています。
    • 死亡症例の検討を通じて医療の質向上に努めています。
    • 定期的に院内巡視を行い、現場のリスクや課題を「見える化」して改善を進めています。
    ③ 医療安全に関する指針の策定・見直し
  2. M&M(Morbidity&Mortality)カンファレンスの実施

    患者の予後に影響を与えた事例や再発防止が必要と考えられる症例を振り返り、医療の質向上に活かしています。

  3. インシデント報告の収集・分析

    当院では2016年から「CLIPインシデント報告分析支援システム」を導入し、日々の報告を迅速に分析して再発防止に取り組んでいます。
    また、20256月からは「Good job報告」を導入し、エラー防止だけでなく「なぜ普段うまくいっているのか」に着目したSafetyⅡの考え方を取り入れています。
    (集計データPDF

  4. 医療事故発生時の対応

    医療事故が発生した際は、患者さんとご家族との誠実なコミュニケーションを最優先に、組織として迅速に対応します。予期せぬ死亡事例で医療起因と判断される場合は、日本医療安全調査機構(医療事故調査支援センター)へ報告し、原因究明に努めます。

  5. 医療安全研修会(年2回、全職員対象)

    医療安全に関する研修を全職員対象に実施し、安全文化の醸成に取り組んでいます。

    (過去研修会一覧)

  6. 医療安全ラウンド(週1回)

    医療安全部会メンバーが院内を巡視し、各部署の安全対策を確認。改善提案や対策を共有し、PDCAサイクルを回しています。

 

安全文化醸成に向けた取り組み

1.患者誤認防止

・患者さんにフルネームと生年月日を名乗っていただき、本人確認を行います。

・入院患者さんにはリストバンドを装着し、点滴時にはバーコード認証を導入しています。

・外来部門では名札ホルダーを使用し、処置や検査時に確認を行います。

・救急センターでは来院されたすべての患者さんにリストバンドを装着しています

2.誤薬防止

・誤薬防止の「6R(正しい患者・薬・目的・用量・用法・投与時)」を周知。

・内服管理アセスメントシートを活用。

・ダブルチェック方法を徹底。

3.転倒転落予防

・入院時にリーフレットを配布し、病室テレビで予防ビデオを視聴していただき、患者参加型で取り組んでいます。

4.深部静脈血栓症予防

・足の運動DVDを病室テレビで無料視聴できます。

・DVT/PE予防プロトコルに基づき対策を実施しています。

5.RRS(Rapid Response System:院内迅速対応システム)導入

・NEWSスコア(早期警告スコア)を用いて、急変や異常の早期発見に努めています。

6.医療安全推進週間

・毎年11月25日前後に実施し、患者さんや職員に医療安全への理解を深めていただく取り組みを行っています。

リスクマネジメント部会での活動

  • チーム活動
    • 誤薬防止対策チーム
    • 転倒転落防止対策チーム
    • チューブ関連トラブル防止対策チーム
    • 業務工程図・分析チーム
    • 医療安全推進キャンペーンチーム
  • 勉強会
    • ImSAFER・RCA分析
    • KYT(危険予知トレーニング)
    • チームSTEPPS研修
    • 医療ガスの基礎知識
    • ダブルチェックの実践

地域との連携

地域の病院でお互いの施設を訪問し、安全対策についての情報共有や意見交換を通じて病院機能の改善に努めています。

医療安全に関する相談窓口

「安全で安心な最善の医療」を受けていただくために、医療安全・患者安全に関するご相談やご意見を承っています。 1階「患者相談窓口」にお気軽にお声掛けください。

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