薬剤部

薬剤部

理念

薬剤部では「薬のことは薬剤師に」を理念に、薬の専門家として薬物療法の有効性と安全性を保証する薬剤業務に取り組んでいます。患者さんや医療スタッフが医薬品を適正使用できるように、的確な薬剤情報提供や業務支援を心掛けています。

概要・特色

薬剤部には、薬剤師26名(常勤25名、非常勤1名)事務職員3名(常勤2名、非常勤1名)調剤補助者(非常勤4名)が所属しています。(2023年2月現在)
薬剤部は、医薬品の調剤、製剤、管理・供給医薬品などの情報提供、高カロリー輸液・抗癌剤調整、病棟薬剤業務、薬剤師外来業務、治験薬管理などを行っています。薬剤師業務の負担軽減として機械化や調剤補助者へのタスクシェアを積極的に進めています。
また、当院には、緩和ケアチーム、栄養サポートチーム、抗菌薬適正使用支援チーム、褥瘡ケアチーム、糖尿病チーム、認知症ケアチームなど多くのチームがあり、薬剤師もチームの一員として参加しその職能を発揮しています。
薬剤部では、薬剤師としての生涯教育環境を整え、資格取得の支援を行っています。現在、各種認定薬剤師が在籍し、それぞれの分野で適正な薬物療法がおこなえるように高い専門知識や技術を医師、看護師などの医療従事者に提供しています。また、薬剤師の未来を担う薬学部学生の実務実習の受け入れをおこなっています。
外来通院の患者さんにおいても安心・安全な薬物療法が続けられるように地域薬剤師会と連携を図っています。
部員一同、安全で良質な医療が提供できるように日々研鑽を続けています。

認定・資格(2023年2月現在)

  • 日本病院薬剤師会 がん薬物療法認定薬剤師 1名
  • 日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師 1名
  • 日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 3名
  • 日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 3名
  • 日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師 2名
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師 3名
  • 日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師 1名
  • 日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師 1名
  • 日本臨床栄養代謝学会 栄養サポートチーム専門療法士 1名
  • 日本循環器学会 心不全療養指導士 1名
  • 日本災害派遣医療チーム 登録隊員 1名
  • 栃木県糖尿病療養指導士認定機構 栃木県糖尿病療養指導士 5名

業務内容

外来・入院調剤

外来は、ほぼ院外処方箋となり、主に、入院患者さんの処方箋を調剤しています。医師が発行した処方箋にもとづき、内服薬や外用薬などの調剤を行います。薬の中には患者さんの年齢、体重、腎臓や肝臓の調子により量の調節が必要なものや、一定期間の休薬が必要なものがあります。また、薬同士の飲み合わせに注意が必要なものもあります。調剤業務では特にこれらに注意しながら、処方内容について疑問があれば処方医に確認し、患者さんが安全に薬物療法を受けられ、最大限の効果が期待できるように心がけて調剤を行います。
院外処方箋には患者さんの検査値を印字し、保険薬局へ情報提供しています。
外来は院外処方となりましたが、インスリンなどの自己注射は院内で指導を行っています。

注射調剤

注射処方箋をもとに患者さんごとに注射薬を取りそろえ、病棟および外来に払い出しています。その際には薬の配合変化、溶解後の安定性や投与速度などの情報を医師・看護師に提供し、薬の適切な使用をサポートしています。
当院では注射剤自動ピッキングシステムを使用し投与1回ごとの払出をすることで、業務の効率化・より正確な調剤・安全性の向上を図っています。

医薬品情報業務

薬物治療を有効かつ安全に患者さんに受けていただくために、医薬品に関する重要な情報を医師・看護師・薬剤師をはじめとするすべての医療従事者へ伝達しています。またそのための医薬品情報の収集・整理・評価を行っています。

製剤業務

製剤室では、院内で取り決められた製剤や治療上必要であるものの市販されていない製剤を「院内製剤」として調製し医療の現場に提供しています。

高カロリー輸液調製

病気などにより食事からの栄養摂取が困難な患者さんに用いられる高カロリー輸液を無菌的に調製しています。事前に投与量や配合変化などを確認した後、調製しています。

抗がん剤調製

抗がん剤は治療に必要な用量と副作用が発現する用量が近接するため、特に注意が必要な薬の一つです。外来・入院患者さんが安全に抗がん剤治療を受けられるように、薬剤師ががん治療計画書(レジメン)の審査・管理に携わっています。
混注業務は安全キャビネット内で無菌的に行われ、一部の抗がん剤では曝露が起こらないように閉鎖式薬物移送システム(CSTD)を使用しながら調製を行っています。

治験薬管理

健康な人や患者さんに対して治療を兼ねた試験を行い、薬の効果や安全性を確認することを「治験」と言います。治験を経て国から承認を受けなければ、医薬品(薬)は医療機関や薬局で取り扱うことができません。 当院は厚生連病院治験ネットワークに加盟し、薬剤部では治験薬の管理を行っています。 詳細は下記リンクをご覧下さい。

Home>病院のご紹介>地域がん診療連携拠点病院>治験・臨床研究について

病棟薬剤業務・薬剤管理指導業務

当院では、入院前に薬剤師が中止薬の説明を行っています。中止薬の説明も踏まえ、入院から退院まで、持参薬の確認・服薬指導・相互作用のチェック・退院時の説明など薬全般の管理を行うことで、患者さんが安心して安全で効果的な治療を受けられるよう日々励んでいます。また、カンファレンスに参加したり、医師・看護師・コメディカルスタッフからの相談への対応や、医薬品の情報提供なども行っています。

がん薬剤師外来業務

当院では患者さんに外来がん化学療法を安心して受けていただくために、がん薬剤師外来を設置しています。
詳細は下記リンクをご覧下さい。

Home>病院のご紹介>栃木県がん診療連携拠点病院>がん薬剤師外来

情報システム管理

現在、情報システムは医療の提供に不可欠な存在になっています。当院でも電子カルテシステムをはじめ、病院全体に様々な情報システムが導入され、業務の効率化が図られています。
薬剤部情報システムでは医師の処方入力によりプリンターから処方箋や薬袋が出力されます。処方内容は最新の情報に基づいて相互作用の有無や投与日数上限などがシステム上でチェックされ、患者さんに薬を安全に服用していただけるような仕組みとなっています。

医薬品管理供給業務

備蓄医薬品の保管管理と調剤室などへの医薬品供給および医薬品卸会社への発注管理を行なっています。個々の患者さんの状態に合わせ処方される多種多様な医薬品を医療現場に速やかに供給するために、常に医薬品卸などの方々とも連携を密にして医薬品の調達を行なっています。

医療チームへの参加

緩和ケアチーム

週1回、医師・看護師・MSW・臨床心理士・作業療法士・薬剤師など様々な職種でカンファレンスや病棟ラウンドを行っています。薬剤師は患者の症状(痛み・吐き気・倦怠感・便秘など)にあわせた治療計画を薬学的視点からアセスメントし立案をおこなっております。また、医療用麻薬の適正使用や副作用軽減を目的としたカルテ回診や、外来患者への医療用麻薬の初回導入の説明、翌日の電話フォローアップを行っています。

栄養サポートチーム(NST)

医師・看護師・管理栄養士・言語聴覚士・臨床検査技師・薬剤師でチームを構成し、毎週木曜日にミーティング・回診を行っています。経口・経腸栄養・経静脈栄養すべてを考慮し、患者さん個々に適した栄養管理方法を提案します。薬剤師は下痢などの栄養管理に関する合併症と使用薬剤の確認、静脈栄養の配合変化や内服薬の経管投与の確認などを行います。在宅栄養療法を行う患者さんやご家族へ、経腸栄養剤だけでなく静脈栄養についても情報提供を行っています。また、薬学的観点に基づいた経腸・静脈栄養療法の適正使用を推進するため、取り扱い時の注意点などを医療スタッフに情報提供しています。

抗菌薬適正使用支援チーム(AST)・感染制御チーム(ICT)

医師・看護師・臨床検査技師・薬剤師でチームを構成し、毎週水曜日に回診を行ない消毒薬や抗菌薬などの確認を行なっています。感染予防や抗菌薬の適正使用を通して予防・治療の両面の活動を行なっています。薬剤師は広域抗菌薬使用状況の確認や、必要な薬については薬物血中濃度モニタリング(TDM)を行ない最適な投与設計を提案しています。

褥瘡ケアチーム

皮膚科医師と皮膚排泄ケア認定看護師を中心に栄養士・理学療法士・薬剤師でチームを構成し2週間に1度、回診を行っています。回診では褥瘡のある入院患者さんを対象に他職種間で情報を共有し、疾患・治療・栄養状態を考慮した全身管理を行っています。薬剤師は症状に合わせた薬の提案、使用中の軟膏の管理や保管方法の評価・助言などを行っています。

糖尿病チーム

日本糖尿病学会認定の糖尿病専門医をはじめ、看護師・管理栄養士・理学療法士・臨床検査技師・歯科衛生士・薬剤師でチームを構成し、多岐にわたる診療科の入院患者さんの糖尿病診断に横断的に関わっています。糖尿病チームでは糖尿病教育入院を実施しており、薬剤師は、糖尿病薬の特徴や副作用を中心に説明しています。糖尿病薬は多岐にわたるため、糖尿病患者さんが安心して治療を受けられるよう、自己注射の手技説明・インスリンポンプの管理や低血糖に対する対処などの説明を行っています。

認知症ケアサポートチーム

毎週火曜日に医師・看護師・MSW・理学療法士・栄養士・薬剤師でカンファレンスと回診を行っております。
患者認知症は、活動亢進・興奮、幻覚・妄想、不安・うつ状態、睡眠障害など様々な症状があり、治療の妨げになることがあります。このような症状を和らげるよう薬剤の提案を行っています。また、高齢者の患者さんは、他剤服用や生理機能が低下していることがあるので、状態に合わせた薬剤選択を行います。

教育

薬学部学生実習受け入れ

毎年4~5名の学生の実習を受け入れています。新コアカリキュラムに従った講義や実習を通じて、次世代を担う薬剤師の育成を行っています。

一般・患者さん向けセミナー

肝臓病教室

慢性肝炎・肝硬変・肝臓がんなど慢性肝臓病を抱える患者さんを対象に、肝臓病に関する情報を提供するための教室を半年に1回開催しています。医師・看護師・栄養士・薬剤師が講演し、肝臓病の診断・治療・予防・薬・食事・生活などについてお話ししています。 質問の時間も十分に取り、日頃患者さんが抱える不安や疑問にもお答えしています。

地域薬剤師会との連携

佐野市薬剤師会と抗がん剤の勉強会などを開催し情報共有を行っています。
また、服薬情報提供書の運用により保険薬局との連携を図ることで患者さんが安心・安全・有効な薬物治療が受けられるように支援しています。

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