検査科

臨床検査科

 臨床検査の分野は近年では自動化が進み、採血や顕微鏡・細菌培養など一部を除き機械で測定する検査が多くを占めるようになりました。その為、臨床検査技師に求められる能力はより高度なものとなって来ています。特に精度管理や精度保証といった検査結果の正確性・精密性にかかわる能力は、数学的な知識のみならず臨床に即した知識も要求されます。また、近年ではPCR検査を代表とする遺伝子検査に関しても精通した知識・高い技術が求められています。私たち検査技師は多方面にわたる資格を取得し、検査の質的向上を目指します。

当院の検査技師の所持している資格
  • 認定病理検査技師
  • 認定臨床微生物検査技師
  • 感染制御認定臨床微生物検査技師
  • 認定一級検査技師
  • 日本糖尿病療養指導士
  • 二級臨床検査士(血液・生化・病理・免疫血清・微生物・呼吸生理)
  • 細胞検査士(JSC,IAC)
  • 心電図検定3級
  • 超音波検査士(消化器、体表臓器)
  • 特定化学物質及び4アルキル鉛等作業主任者
  • 医療機関等を対象とした特別管理産業廃棄物管理責任者

人員配置

  • 管理 1名
  • 検体検査(一般・血液・免疫/輸血・臨床化学・採血) 14名
  • 微生物検査 5名
  • 病理検査 4名
  • 生理検査 7名

外来採血室

外来採血室では、外来患者様の血液検査や尿検査・生理機能検査の受付を行ない、検査のための採血を行なっています。患者様データ・採血指示・採血管出力などほとんど全ての業務をコンピューターで制御し、間違いのない安心安全な採血業務を心掛けています。また、2020年12月に採血ブースをリニューアルし、台数も4台から5台に増設しました。増設後は増設前に比べ全体で約30%、件数の多い火水金曜日の午前中で50%の採血待ち時間を削減することができました。今後とも日々精進し、より良い業務の提供に努めていきたいと思います。

外来採血室

①1台ずつパーテーションで区切られ、患者様のプライバシーを採血風景守ります。

②1台ごとにコンピューターが設置してあり、確認・承認・データの管理を行い、安全性の高い採血を提供します。

③採血台は全台昇降式になっており、患者様の体格に合わせてより良い体制での採血が行えます。また、採血台の下が空いているため、車椅子をご使用いただいてる患者様への対応も容易となりました。

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一般検査

一般検査では主に、尿や便の検査を行っています。
尿検査は主に尿定性、尿沈渣に別けられます。

尿定性

尿定性とは試験紙を用いて、尿のpH、蛋白の有無、潜血の有無等を調べる スクリーニング検査です。薬剤等の影響を受けやすいので検査担当者のスキルも必要になってきます。

尿沈渣

尿沈渣とは尿を遠心し、沈殿したものを顕微鏡にて鏡検し、尿中に出ている白血球や異型細胞、結晶、細菌等を調べる事により腎臓や尿路の機能状態を検査しています。

一般検査1 一般検査2
便潜血検査

消化管で出血をすると便中に赤血球に含まれるヘモグロビンが出現します。便潜血検査ではこれ化学法(定性)、免疫法(定量)の2種類で検査しています。免疫学的方法は、ヒトヘモグロビンに対する抗体を用いて潜血の有無を検出する方法で、豚、牛あるいは魚類の血液には反応しないため、食事制限を行う必要がありません。 上部消化出血は消化液によりヘモグロビンが変性してしまうため検出できず、下部消化管での出血の有無を検出する場合に利用されています。

血液検査

血液検査として、主に1.血球算定、2.血液像、3.凝固・線溶検査を行なっています。

これらの検査は病態を捉えるのに必要な検査であるため、一部を除き診察前に診療科へ報告しています。

1.血球算定(血算)
血液検査

血液中の赤血球、白血球、血小板の数を自動分析装置を使って測定しています。

項 目検査の説明
赤血球数 RBC 赤血球の数が減ると酸素の運搬能力が減り、貧血を起こす
ヘモグロビン Hb 赤血球の中にある血色素で、酸素を運ぶ役割がある
ヘマトクリット 血液中の赤血球が占める割合を表す
白血球数 WBC 細菌やウイルスなどの感染を防ぐ役割がある
血小板数 tdLT 出血したときに血液を固まらせる役割がある
2.血液像

血算の結果をさらに詳しく調べるために、赤血球、白血球、血小板の大きさや形を顕微鏡で観察します。また、白血球を分類することで病態を把握するのに役立ちます。

項 目検査の説明
好虫球
好中球 Seg.
細菌による感染や炎症などで増加する
リンパ球
リンパ球 Lym.
抗体を産生したり、細菌やウイルスを記憶する
単球
単球 Mono.
病原菌や異物を貪食する役割がある
好酸球
好酸球 Eos.
アレルギー性疾患に感染すると増加する
好塩基球
好塩基球 Baso.
ヒスタミンなどを含み、アレルギー反応に関与する
3.凝固・線溶検査

血液中にある血液を凝固させる成分や、固まった血液を溶かす成分の働きについて自動分析機により検査します。手術前の検査として行なわれたり、ワーファリンなどの薬剤の治療モニタリングとして検査しています。

血液検査2

生化学

生化学検査では患者さんの血液から体の機能や、血液成分の検査などを行っています。疲れた時などでも値は変動しますので基準値外だからといって必ずしも病気という訳ではありません。 採血した血液は遠心分離することで血球と血清に分けられます。生化学検査は血清を試料として用います。血清中の電解質や酵素、タンパク質などを自動分析装置を用いて測定します。

生化学検査機 生化学
肝機能検査
項 目検査の説明
γ-GT 主に肝臓や胆管系の病気で上昇します。また、お酒の飲みすぎの場合はγ-GTのみが上昇することが多いです。
AST 心筋や肝臓に多く含まれている酵素です。
ALT 主に肝臓に含まれている酵素で、肝臓の病気ではASTよりも鋭敏に上昇します。
総ビリルビン 肝臓や胆管の異常で上昇します。血中濃度が上がると肌が黄色くなる黄疸が見られます。
腎機能検査
項 目検査の説明
尿酸 UA プリン体の分解産物で豆類や肉類ばかりを食べていると高くなります。高値になると通風や尿路結石等の原因となります。
尿素窒素 UN 蛋白質の分解産物です。腎臓の機能が低下すると血中濃度が上昇します。
クレアチニン CRE 体内の最終産物で通常は腎から尿中へ排出されます。しかし腎機能が低下すると血中へ戻ってしまい上昇します。
電解質検査
項 目検査の説明
ナトリウム Na 重要な電解質で体内の塩基平衡、浸透圧等を調整しています。
カリウム K こちらも重要な電解質で塩基平衡や神経の興奮などに関わっています。
クロール Cl Naと共に体内の塩基平衡、浸透圧に関係しています。
脂質代謝検査
項 目検査の説明
総コレステロール TC 多すぎると動脈硬化などを引き起こし、少なすぎると体内のホルモンバランスが崩れたりします。食事の影響で変動します。
中性脂肪 TG 体内の貯蔵エネルギーです。なくてはならない物ですが貯蔵しすぎると脂肪肝や肥満へと繋がってしまいます。
HDL 善玉コレステロールと言われるものです。血中の余分なコレステロールを肝臓へ運んでくれます。
LDL 悪玉コレステロールと言われ、こちらは肝臓のコレステロールを末梢組織に運ぶ機能があります。その為多すぎると動脈硬化などを引き起こします。
他項目
項 目検査の説明
CRP 炎症に反応する蛋白です。体内のどこかで炎症が起こった場合や感染症の時に上昇します。

免疫血清・輸血検査

免疫血清検査機

免疫血清検査では抗原抗体反応(免疫反応)の特異性を利用して、梅毒やウィルス肝炎などの感染症(HBV、HCV、HIVなど)や自己免疫疾患などに関する検査などを行なっています。

輸血検査では血液型(ABO式、Rh式)を始め、輸血を安全に行なう為の交差試験、さらには不規則抗体同定や適合血供給のための検査を行っています。

1.感染症検査

ヒトが細菌やウイルスに感染すると、血液中に抗体という抗原に特異的に反応するタンパクが作られます。そのため、血液中の抗原や抗体の量を測定することで、細菌やウイルスに感染したかどうか確認することができます。当院では主に梅毒・肝炎ウィルス(B型・C型など)やHIVウイルス検査などを行っています。

2.自己免疫検査

通常、体内には自分自身の組織や細胞と特異的に結合するような抗体は存在しませんが、膠原病やリウマチなどの自己免疫疾患では、『自己抗体』と呼ばれる自己の組織に結合する抗体が体内に存在し、自己の組織障害を起こします。それら自己免疫検査として、抗核抗体(細胞の核に対する抗体の存在を確認する検査)やリウマトイド因子(慢性関節リウマチなどで検出される自己抗体)の測定などがあります。

感染症検査1 感染症検査2
3.輸血検査

血液型検査では、ABO式あるいはRh式血液型検査を主に検査しています。また、輸血を安全に行なうために、患者さんの血液と輸血する血液を混ぜ合わせて反応させ、輸血に適した血液かどうかを調べる交差適合試験や、輸血の副作用を生じさせる可能性のある抗体を検出する不規則抗体スクリーニング検査なども行なっています。

輸血検査

微生物検査

微生物検査とは?

微生物とは、その名の通り肉眼で見えないほどとても小さな生物の総称です。細菌、ウイルス、真菌(カビ)、寄生虫などのことを指します。これらの微生物が、人間に悪さをして起こる様々な症状のことを感染症といいます。喀痰、尿、便などを用いて、どのような微生物が体のどこで悪さをしているのか、そしてその微生物にどんな薬が効くのかを調べるものが微生物検査です。

一般細菌検査

人間に感染症を引き起こす細菌としては、大腸菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などが有名です。検査の流れを説明します。

1.検体(1日目)

痰、咽頭、鼻腔粘液、尿、便、耳漏、血液、髄液、胸水、膿など他にも様々な検体があります。

2.塗抹検査(1日目)

上記の検体をスライドガラスに直接塗りつけて、色々な染色を行い、色をつけて顕微鏡で観察します。

塗抹検査 クリプトコッカス
3.培養検査(1日目)
培養検査

検体・目的菌に応じた様々な培地を使用し、人の体温と同じ37℃の環境で菌の培養を試みます。

4.同定検査(2~3日目)

培地に発育した菌塊(コロニー)から病原菌のみを選択し、様々な生化学試験を用いて菌の同定を行います。それと同時にどの薬剤を投与すれば効果があるかを調べる為に薬剤感受性試験も行います。

報告(3~5日目)

全ての病原菌の同定・感受性が終了したら結果を全て再確認し、電子カルテへ送信し終了となります。
また菌量が少なかったり、多数の菌が混ざり合って発育してしまった場合は再度分離培養を行う必要があるので報告までの時間が延びてしまう場合もあります。

ウイルス検査

インフルエンザやアデノウイルス、ロタウイルス、RSウイルス、ノロウイルス、ヒトメタニューモウイルス等のウイルス検査も行っています。これらはイムノクロマト法という簡易検査で専用のキットを使い、咽頭拭い液や鼻咽腔粘液を採取して頂いてから15~30分程で結果が出ます。

またSARS-CoV-2も抗原検査、遺伝子検査(LAMP、PCR)を行っています。

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抗酸菌検査

当院では抗酸菌(結核菌やMAC症の原因菌等)の塗抹、培養検査、DNAを検出するPCR法やLAMP法も行っています。また、結核菌の培養には時間がかかり最長8週間程必要となります。

結核菌1 結核菌2

病理検査

病理検査は、病変部の組織を採取し、良性・悪性の診断を目的とした病理組織検査と少量の細胞採取で主に癌細胞の有無を調べる細胞診検査に分けられます。

1.病理組織検査

手術や内視鏡検査、解剖により採取された検体(臓器)を、ホルマリン固定・パラフィンで固めたのち、厚さ3/1000 mm程度に薄く切り、目的に応じた染色を行なって病理組織標本とします。この標本を病理医が顕微鏡で観察して良性か悪性かの診断を行ないます。また、手術中にすぐに病理組織学的情報を知りたいときに行われる術中迅速診検査があります。

生の状態(未固定)の検体を流動性のある物質に埋め込み、急速に冷凍します。凍結したブロックは -25℃の小さなスペースの中で薄く削り、標本を作製します。これを病理医が観察し、病変部が取りきれているか、がんの転移があるかなどを確認します。これによって外科医は適切な手術を行なうことができます。

2.細胞診検査

細胞の形態を顕微鏡で観察し、病気の有無や状態を判断する検査です。スライドガラス上に乗せた細胞に、パパニコロウ染色やギムザ染色などの染色を施し、細胞検査士の資格を持った臨床検査技師が、顕微鏡で多数の細胞の中から異常のある細胞を選別(スクリーニング)します。最終的に病理医が異常細胞の有無を確認し、報告します。

パパニコロウ染色
細胞診検査1 細胞診検査2
子宮頸部の細胞
(HPV感染による軽度の異形成あり)
子宮頸部の細胞
(扁平上皮がんの疑い)

生理機能検査

心電図検査

心臓の電気刺激を波形として捉え診断する検査です。
心筋梗塞、不整脈など心臓の検査に用いられます。

心電図検査 心電図
トレッドミル負荷心電図検査
ランニングマシーン

日常生活の中で少し動いたりすると胸痛がする方は安静時の心電図では何も検出できません。その為この検査では心電図、血圧を測りながらベルトコンベアの上歩いて頂き、徐々に速度と傾斜を上げていきます。目標心拍数に達するか心電図等に変化が現れた時点で終了となります。

24時間ホルター型心電図検査

持ち運びできる心電図です。通常の心電図では数十秒程度の波形しか測定できません。その為日常生活中の心電図を測定する為、体に機器をつけ24時間過ごして頂きます。

心臓・腹部・乳腺等の超音波検査

人には聞こえない高周波数の超音波を用いて、臓器の形や機能を調べる検査です。放射線ではありませんので体に害を与えることなく妊婦さんや子供でも行えます。

超音波検査1 超音波検査2
肺機能検査
肺機能検査

肺活量や肺拡散能力等の肺の機能を調べる検査です。こちらは患者さんに協力をして頂かないと正確に測定できないので説明をしながら検査していきます。

脳波検査

脳の機能や脳腫瘍等の検査です。頭に電極を付け、ベッドに横になって頂きます。その状態で光や過呼吸等の刺激を与え測定します。睡眠中のデータでも有効ですので眠ってしまっても大丈夫です。

脳波検査装置 脳波検査装置
尿素呼気試験

ピロリ菌の検査です。専用の袋に薬を飲む前と後に息を吹き込んで頂くだけの検査です。

眼底写真

眼球奥の血管を撮影し目の病気や糖尿病の診断に用いられます。

筋電図検査

手や足に電気信号が伝わっているか調べる検査です。電気を流しますので多少痛みを伴います。

生理機能検査説明と注意事項

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